伝説の試写、アイゼンマルクト広場にて
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ライカの故郷 ドイツ・ヴェッツラー紀行
ステレオカメラ店主の饗場です。
ライカマニアにとっての「聖地」。
その一つが、 ヴェッツラー旧市街にあるアイゼンマルクト広場の一角、
フラワーショップ横の階段下です。
ここでライカの発明者であるオスカー・バルナックが、
35mmカメラの始祖である「Ur.Leica(ウル・ライカ) 」で最初の試写を行ったとされる場所です。
その撮影ポイントにはライカ100周年を記念して
ライカカメラ社による解説とそのとき撮影された写真入りの看板が、記念碑的に設置されています。
そして石畳の地面にも、撮影時バルナックが立った位置に金属のプレートがはめ込まれています。
それが、この写真の場所です!
↑ここで初めての「ライカ」による撮影が行われた。というようなことが書いてあります。
バルナックはウル・ライカでヴェッツラーの街を複数回、 いろんな場所で撮影していますが、
特に最初に撮影されたというのが、この場所というわけです。
そのときバルナックが撮影した写真がこれです。
このほかにもラーン川が氾濫して、 町が洪水に浸ってしまったときにも、
小舟の上から撮影を行っています。
このファーストポイントに立って、バルナックと同じ構図でライカ で写真を撮るのが、
ライカマニアたちにとっての「聖地巡礼」 となっているわけですね!
ということで、
もちろん店主饗場も撮影しました!
ボディはライカMモノクローム、レンズはズマール50mmです。
デジカメにはなってしまいましたが、モノクロ専用機で、 やはり古いレンズで撮りたかったんですよね。
正面の建物が目印です。
バルナックが撮影した100年前の木組みの家が、なんと そのまんま残っているんですね!
いまは1階がカフェになっています。
↑長年あこがれ続けた聖地巡礼を果たして、感無量!うれしい!
このへんでライカをもってウロウロ撮影していると、 やはりライカの街、
地元の方たちは慣れた感じで、
「あ~、またライカ好きがここから写真撮りにきてるなー」
という、ほほえましい視線を感じました(笑)
このアイゼンマルクト広場は、旧市街の中心部である大聖堂前のドーム広場から100メートルほどの距離にあります。
ちょうどクリスマスマーケットの時期でしたので、
夜になるとこの広場でサンタクロースが聖書(?) か何かを朗読していました。
たいへん素敵な雰囲気。。。
この時期に来てよかったとおもいました。
ちなみにウル・ライカは2台が製作され、 1台はバルナックが自分用に、
もう一台はエルンスト・ライツ一世に贈られたということです。
そして1台が現存し、(どちらなのかは謎)
ライカカメラ本社に厳重に保管されているとのことです。
ウル・ライカは実は、 映画撮影用のフィルムの感度チェック用に作られた機械で、
このときはまだスチルカメラとして量産することは決まっていません。
したがってライカ(ライツのカメラの意)という名前もまだありませんでした。
エルンスト・ライツ一世が亡くなったのち、
エルンスト・ライツ二世がウル・ライカに着目し、 改良を加えさせて、
ライカⅠ(A)という市販品の第一号が生まれ、 その後の35mmフィルムカメラの歴史が始まります。
バルナックが35mm映画用フィルムを使った、 小型スチルカメラを発明しなければ…
エルンスト・ライツ二世が市販化を決定しなければ…
その後のフィルムカメラの歴史は大きく変わった、というか、
35mmカメラという存在そのものが存在し得なかったということ になるわけですが、
それはまた別の話で^^。
ステレオカメラ店主
饗場靖史
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